あちこちで干し柿を見かける季節になりました。私の子供の頃も自宅の縁側の軒下で、渋柿を乾燥した空気の中に吊るしていたものです。
干しておくと甘くなって別の食べ物になるのです。

私はその光景を見ると、冬の到来をを感じてわくわくしていました。
待ちに待った冬休みが始まるのがその最大の理由です。
クリスマス、親戚が集まってもちつき大会、紅白歌合戦、正月のおせち料理、お客さんからもらうお年玉、冬休みにはイベントが目白押しでした。

それらは夏休みとは異なった特別な至福の時間でした。

大人たちもみんな笑みがこぼれていた印象が残っています。
あれから歳月が経ち私も年をとり、毎年のように知人友人親戚の訃報が届くようになりました。
ふり返ると、きんかんの甘露煮や上物の鰹節を使った料理等と共に、素朴で優しい故郷の人たちの心が、幼い私を囲んでくれていた幸せな時間だったのです。
今は故郷から遠く離れて生活していますが、冬を感じた時にいい想い出として胸の中に蘇ってきました。